EUS-FNA 超音波内視鏡下吸引穿刺生検法

EUS-FNA 超音波内視鏡下吸引穿刺生検法

EUS=超音波内視鏡検査

通常の超音波では目的病変から遠く十分に観察が行えない。そのため内視鏡の先端から超音波で観察することにより超音波の減衰・虚像・障害となる消化管ガスなどの影響を受けにくく病変部位を観察することができる

FNA=穿刺吸引細胞診

超音波(ここでの超音波とは通常の超音波)を当て目的部位を観察しながら生検用の針を刺し、注射器で吸引した細胞を顕微鏡で調べる検査方法。

EUS+FNA=超音波内視鏡下吸引穿刺生検法

内視鏡の先端から超音波(EUS)を行い、目的の病変の組織を穿刺し吸引する(FNA)方法。
平成22 年4月より保険適応となった。

適応

EUSで病変が確認でき、良性または悪性かの識別が必要な病変。治療方法決定のために行うがその結果が十分に役立つ場合行う。
※特に別の方法では診断が難しい膵臓癌などに思考されることが多い
※良性であっても質的診断(病因)を明らかにするために適応となることもある。
適応
・良悪性の識別・化学療法や放射線治療選択の組織学的根拠・癌の進行度の確認

禁忌

EUSで病変が明瞭でない場合
穿刺部位に血管が存在する場合
出血傾向がある場合
すでに癌の播種がある場合

方法 手順 手技

①内視鏡を挿入
②内視鏡についている超音波検査にて病変を観察
③病変に細い針で穿刺+吸引
④針を抜いて出血がないことを確認
(検査時間30分程度)
※病変をしっかり確認できなかった場合は中止となることがある

合併症

消化管穿孔
出血:場合により輸血することもある 
感染:予防的に抗生剤投与(腹腔内感染の可能性)
膿瘍 
膵炎:膵臓を穿刺した場合にあり。 
急性門脈閉塞 
癌の播種
薬剤アレルギー

看護のポイント

検査前

当日午前入院し午後検査が多い
①入院時最終水分摂取時間の確認。
※指示時間を過ぎて水分摂取をしているようであれば医師に確認する
②入院時朝の内服した薬の確認
※抗凝固剤など内服していないか確認とともに朝何の薬を飲んできたかをしっかりと確認
③アナムネとともに術前オリエンテーションをしっかりと行う。
オリエンテーションのポイント
・内視鏡で行うこと
・頭がボーっとするような薬を使用して行うこと
※その影響により検査後ふらつくことがあることや酸素量が足りなくなり酸素を一時的に行うことがあることの説明
・検査前には食事制限水分制限があること+その時間
・検査後3時間程度安静が必要なこと+水分制限も同時間位あることの説明
④検査時刻を確認し患者さんへ伝える。呼ばれ次第な場合はそのように患者さんに伝える。
⑤検査前のバイタルに異常があれば医師に早めに伝える。T38度以上など
⑥持参薬の確認
オピスタン+ナロキソン+アネキセート+ドルミカム
⑦出棟時抗生剤投与

検査後

①帰棟後(検査室にて確認事項)
・検査中のバイタルや薬剤の使用+酸素投与などを確認
・医師に安静度の確認(通常3時間程度)
・医師に水分摂取の時期の確認(通常3時間程度)
・補液の滴下のチェック
・施行内容の確認(EUS-FNAが行えたか)
・検査後のバイタルの確認(特にSPO2)

病棟へ帰室

・バイタルの確認+特にSPO2の確認。低値95%以下であれば医師へ確認し酸素投与を検討してもらう。
※必要時SPO2モニタリングを行う。(しっかりと覚醒するまで)
※ドルミカムを使用しアネキセートにて覚醒した場合、アネキセートのほうが半減期が短いため、あとあと意識レベルが落ちる場合があるため注意
・安静の説明+水分摂取不可の説明
(トイレの時もNSコールで呼ぶようにしっかり説明)
※半覚醒のため何度か説明。高齢等であれば頻回に訪室するようにする
※ベッド柵をあげベッドを一番低位置にする
(転倒防止のため)
※ナースコールを手の届くところに置くようにする。
②食事については通常翌日採血にて問題なければ昼から開始となる。
※補液も翌日昼ころまで点滴を落とし、食事摂取が問題なければ医師に確認し抜針となる。
③痛みについてはせん孔のリスクもあるため痛み止めを使用する際は医師へ確認してから使用する。
途中・・・。

  • 最終更新:2012-09-29 01:03:23

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