Aライン挿入方法介助
目的
持続的に血圧をモニターするため
頻回な動脈採血
必要物品 準備物品
生食500+へパリン3000単位または5000単位を混注したもの サーフロ針 アルコール綿 耐圧チューブ30cm三活付き(ライン確保用) ヘパクラ1本 サージット シルキーテックス(針とライン接続部を固定する用) 優肌絆 シーネ 包帯 トランデューサーキット(5ccロック式ディスポ入り) 加圧バック 点滴台 モニター 防水シーツ
事前準備
1)点滴の準備(これは緊急時は後からでもよい)
①点滴台にへパリン3千(5千)を混注
②トランデューサーキットを開けて、ラインをつなる
③ヘパ生食500mlの中の空気を抜きながらラインを満たす
※空気を抜く理由=生食が空になったとき気がつかずにフラッシュしてしまうと、
圧をかけているため空気を血管内に入れてしまう危険があるため。
④加圧バックにセットし圧を300mmhgまで加圧しペアンなどでしっかりとクランプする
⑤点滴台にトランデューサーを固定版にセットしておく
2)ライン確保の準備(これは緊急時でも最初に準備しておく)
①三活付き耐圧チューブ30cmにへパリンを満たし準備しておく
手技 手順 方法 介助
橈骨動脈からの手技
①患者さんに手を動かさないように説明をする
※必要時抑制を行う
②穿刺部位の下に防水シーツを敷く
③医師にてアルコール綿で穿刺部の消毒を行う
④三活付きの耐圧チューブ(30cm事前準備参照)にへパ生食を通したものを用意しておく
⑤医師にてサーフロ針などにより橈骨動脈へ穿刺をする
⑥ヘパ生を通した三活つきの耐圧チューブを接続し刺入部をテープで固定する。
⑦事前に準備しておいた生食+へパリンを加圧バックにつけたものと⑦の三活をつなぎ、
下のようにテープで固定する。
※シーネと優肌絆の固定の際、優肌絆がシーネを一周しないようにして貼付する。
理由:ぐるっと一周してしまうと、末梢がしまってしまうことがあるため
0点を合わせる
①前腋 中線とトランデューサーを水準器にて合わせる
②トランデューサー上部の三活を患者側に倒して
トランデューサーから生食を少しフラッシュする。
③モニターのゼロ点調節ボタンを押しAモニターが0になるのを確認
④患者側に倒した三活を元に戻し、波形がしっかりと出ることを確認する。
※この動作は器械(モニター)がこの位置が0ですよ。と認識するために行うので、
体位やベッドの高さを変えたら必ず施行し直す
Aライン挿入時の観察点 観察ポイント 観察事項 観察項目
各勤務開始時にて
①0点の調整
②ラインへのエアーの混入がないか
※エアー混入時の対処として、エアーの先
(患者側)にあるいちばん近い三活を患者側に倒し、フラッシュを行う)
③三活の向きのチェック
④ラインの緩みがないかのチェック
⑤波形がしっかりと出ているかのチェック
※波形が出ない場合:クレンメが閉まっていないかやラインの屈曲がないか、
三活が閉まっていないかをチェックしすべてが問題ない場合、
Aライン固定部のテープを看護師2名で固定しなおす。
それでも駄目な場合は医師へコール
⑥非観血的血圧と観血的血圧の差を調べる
⑦加圧バックが300mmhgの圧になっているかを確認する。減っているようであれば加圧する
⑧末梢循環の確認を行う(冷感や皮膚色のチェック・疼痛しびれの有無)
※血栓や塞栓の有無の観察のために行い、必要時テープ固定を緩めにしめなおす。
⑨ヘパ生500mlの量のチェックまたは交換日のチェック
⑩点滴挿入部の発赤や疼痛の有無
⑪ラインは必要に応じて交換
(または週1回程度交換通常何曜日等決めて行うことが多い)
空気塞栓について
アドレスバーの「http://」の後に
www.yabelab.net/blog/medical/2008/09/18-194930.php
をコピー貼りつけして下さい。
加圧バックを使用することにより、点滴内が空になってもエアーが残っていると、
圧で押されて血管内に空気が入ってしまう危険があります。
合併症
出血(穿刺時の出血→腫脹・疼痛・血腫あり5分以上止血)
ライン抜去による出血(十分観察できる環境で行うICUなど)
血栓(長期留置や血圧低下により血管内で血栓ができる可能性→長期留置を避ける)
血流感染(長期留置を避けて清潔操作を心がける)
空気塞栓
(フラッシュなどにより残存した空気や血栓が飛び脳梗塞など塞栓症状を起こすことがある
→回路内の空気を確認)
加圧バックの目的
・動脈ラインは普通の輸液では血圧が高いためライン内に血液が逆流してきてしまいラインが閉塞してしまう危険がある。そのため加圧バックで圧をかけることによりそれを予防できる。
※加圧バックは300mmHgの圧まで加圧すると1時間に3ml持続還流する仕組みになっている(血圧により2から4mlと変動がある)(モニターキットの説明書に記載してあります)
・採血時など採血後に血液をフラッシュすることができる
・ライン内のエアーを抜くときなどに使用
加圧バック内のヘパリン生食の交換時期
・感染の関係から通常24時間で交換する(以前の病棟では2日に一度程度でした)
※病棟により考え方が違う点もあるようです。
変更や追加などあればぜひ下よりおねがします。細かいことでも結構です。こうだったかもでも結構です。名前はペンネームでお願いします。150文字で入らなそうな場合は右下のメール欄からお願いします。またサイトを見ていただいている方で答えられるものがあれば答えていただけたら嬉しいです。みんなで解決していけたらいいと思っています。
看護技術wiki
- 最終更新:2012-08-02 03:38:19