術後看護

手術後看護 手術直後看護 全身麻酔

観察項目 観察ポイント 観察事項

意識状態 麻酔の覚醒状況

理由=麻酔薬や鎮痛薬の残存や蓄積により覚醒後も再度意識レベルの低下を起こす場合があるため
全覚醒=声かけに反応し返事をして開眼する。or指示に応じ看護師の手を握ることができる
半覚醒=声かけに反応し返事をするが開眼しない。またはすぐに寝てしまう。

指示量の酸素投与

理由=全身麻酔による気管内挿管の刺激・麻酔ガスの吸入刺激・手術操作による気道内分泌物の増加・線毛運動の低下・咳嗽反射の低下・麻酔による沈静や疼痛により呼吸の抑制。疼痛の心配から咳を抑えてしまう患者さんもいるため気道分泌物の排出を抑えてしまうこともある。そのため酸素濃度の低下により組織への酸素運搬量が低下し術後の回復を遅らせてしまうため

バイタルサインの観察

手術前・手術中と比べて変動はどうか

体温

麻酔や手術手技により低体温となっていることが多いため帰室直後はしっかりと保温を行う。→その後組織回復のため微熱から38度程度まで上昇することがあるため調節や解熱剤(熱型を見るため使用しないことが多い)の確認を行う。

脈拍

不整脈の有無や頻脈の有無・徐脈の有無・脈圧を観察し120回/分以上が持続すると心臓の仕事量が増えるが心臓の拍出量が増やせず心機能低下や心室細動、心停止の危険がある。電解質異常・虚血性心疾患により不整脈をきたす→電解質の補正や不整脈薬投与の検討
  生体反応 頻脈or徐脈
出血 循環血液量が減少 頻脈
呼吸異常 低酸素血症 頻脈
脱水   頻脈
発熱   頻脈
疼痛   頻脈

血圧

手術前・手術中の血圧と比べながら観察。
術後疼痛 血圧上昇
出血 血圧低下

呼吸

呼吸数・リズム・呼吸の型(努力呼吸や無呼吸など)を観察していく。

パルスオキシメトリー(酸素飽和濃度=SPO2)測定

酸素飽和濃度の確認。
低酸素血症=SpO2<90%

低酸素血症
SPO2の低下により組織への酸素が供給が低下し以下の影響がある
①低酸素性脳症
②各臓器の障害
③創部感染の増加

手術後の疼痛の有無

疼痛による悪影響
呼吸器
上腹部手術では肺活量や一回換気量が減少。深呼吸・咳嗽の抑制から気道内分泌物貯留・無気肺の原因

内分泌
術後の痛みから交感神経優位となり代謝亢進、酸素消費量が増加する

循環器
痛みにより交感神経優位となり頻脈、血圧上昇を来たし、脈拍120回/分以上が持続すると心臓の仕事量が増えるが心臓の拍出量が増やせず心機能低下や心室細動、心停止の危険がある。さらに術後の痛みから離床が遅れることにより深部静脈血栓のリスクがあがる

消化器
術後の痛みから離床が遅れることのより腸蠕動が抑制されて術後イレウスの原因となる

術後エピドラやPCAポンプなどが使用し疼痛のコントロールを行うとともに、創部を抑えての咳をすると痛みが軽減することや離床時の方法(臥位→降りる側の側臥位→ベッドから足を降ろす→坐位→立位となる)を指導する
・エピドラの漏れがないかや適切な流量が入っているか、PCAポンプの適切な使用方法を理解しているかやライン漏れがないかを確認していく。

輸液 尿量 INOUT

術後イレウス

術後せん妄

不眠・多弁などや幻覚・幻聴や激しい体動や見当識障害
( )参照予定

創部の出血の観察

ドレーンからの出血の確認

ドレーンの排液血性→淡血性→淡々血性→漿液性
淡血性から血性に変わることもある
ほとんどの出血が術後2日目までにおこる
感染がある場合に数日たってから出血する場合もある
100ml/hを超すような出血でなければCTなどを施行し出血量などの評価を行う
100ml/hを超すような場合は再手術が必要
他にバイタルサインの観察 低血圧や頻脈 意識障害 ショック状態などの場合 補液や昇圧剤などの対処が必要
術後1週間以上たってからの出血は縫合不全による感染など合併しておこることが多く場合により血管造影による塞栓術を行うこともある

少量の出血を認めた場合も50ml/hなど医師をコールしCT等により出血部位を特定し必要に応じて血管造影により塞栓術等を行い止血することもある

吐血・下血 創表面からの出血

医師コールを行い、採血→輸液輸血を行いながら、原因部位に対しての止血(口腔内であればボスミンガーゼやサージセルなど)または緊急手術などを行う。

創部ドレーン・点滴ライン(点滴内容も含む)の観察・患者指導

ドレーンの必要性等は術前から説明しておくが実際に挿入され帰棟時再度ドレーンの必要性と引っ張らないように指導を行う
不穏患者さんに対しては命に直結するような管が入っている場合には抑制を検討。それ以外の点滴等であれば、頻回に観察を行うようにして尿道バルンなどの固定位置を工夫する(ズボンにして足の中を通すなど
各ドレーン
ドレーンの固定をしなおす。通常手術室からは仮固定で帰棟しているため帰室後ドレーンの固定を2箇所とめられるように固定しなおす。 各観察項目参照
J-VAC 胸腔ドレーンの陰圧の有無やリークの有無。出血などの観察

下肢静脈血栓症予防

術前よりサージカルストッキングを着用(創部などで使用できない場合は弾性包帯を使用)
術後 間欠的空気圧迫法(フットポンプ)にて予防
ストッキングによる合併症の観察を行う

ベッド環境を整える

ナースコールの位置 ベッドを一番低い高さにする ベッド柵をしっかりとあげる

途中
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  • 最終更新:2012-07-31 13:47:59

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