胸部の観察ポイント

胸部の観察ポイント 観察項目 観察事項

観察(診察)

羞恥心に配慮しカーテンなどを閉めて説明してから行う

胸部の視診

①皮膚状態の観察
・皮疹の有無
前回観察より広がっているか
掻痒感の有無
いつ頃から出たのか
今までに同じように出たことがあるか
・手術痕の有無
既往歴でしっかりと情報がとれているか
ポート造設・人工ペースメーカーやその他植え込み金属の確認(MRIなどに支障が出ることもある)

②呼吸状態の観察
呼吸の型・リズム・呼吸数・呼吸の深さなどの異常の有無

正常 R12~20/分程度
頻呼吸 呼吸数:25回以上/分 発熱・肺炎など
徐呼吸 呼吸数12回/分以下 頭蓋内圧亢進時・セデーション時など
多呼吸 呼吸数増加+呼吸の深さも深くなる 過換気症候群・肺血栓塞栓症など
少呼吸 呼吸数減少+呼吸の深さも減少 死亡前
過呼吸 呼吸数多少増加+呼吸の深さ増加 神経症・過換気症候群など
減呼吸 呼吸数多少減少+呼吸の深さ減少  
無呼吸 一定時間呼吸が停止した状態  

呼吸リズム異常
クスマウル呼吸 ゆっくりとした深い規則的な呼吸 糖尿病性ケトアシドーシス
チェーンストークス呼吸 無呼吸、過呼吸、減呼吸を繰り返す(一定時間無呼吸となり急に過呼吸となったあと、減呼吸となり、無呼吸へと戻る 心不全・尿毒症・脳出血・脳腫瘍など
ビオー呼吸 不規則に早く深い呼吸から無呼吸を繰り返す 脳腫瘍・脳外傷など

努力呼吸
鼻翼呼吸 気道を広げようとし鼻翼が張っている状態 呼吸不全
口すぼめ呼吸 呼気時に口笛を吹くような呼吸 COPD
陥没呼吸 吸気時に胸壁がへこんだ状態 COPD・気管支喘息など
下顎呼吸 吸気時に下顎を動かし呼吸をする状態 死亡直前

胸部の聴診

前胸部・背部の順に聴診する
前胸部聴診部位
(画像を載せる予定)
左右対称に行い8か所聴取する
吸気と呼気の両方チェックする
背部
左右対称に8か所チェックする
呼気と吸気両方チェックする
前胸部より下位までチェックする
※患者さんに深呼吸をしてもらいながらチェックをしていく

呼吸音の異常
呼吸音の減弱・消失 気胸・胸水・肺気腫・無気肺など
呼吸音の増強 肺線維症による呼吸困難・気管支炎
呼気延長 気管支喘息・COPD
気管し呼吸音化 胸水・無気肺・肺炎など

副雑音(肺雑音)
連続性ラ音(乾性ラ音):気道狭窄によっておこる
笛声音(ヒューヒュー:高音性):気管支喘息など
いびき様音(ボーボー:低音性):慢性気管支炎
断続性ラ音(湿性ラ音):気道や肺胞に液体があり空気が通過時に生じる
水泡音(プツプツ):慢性気管支炎、進行した肺水腫
捻髪音(パリパリ):細かな音は肺線維症
      • -------------------------------------------------------------------




  • 最終更新:2012-07-31 14:02:48

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード