採血方法

静脈採血 採血方法 手技 手順 コツ 採血検査

採血目的

疾患の診断や各機能(腎機能や肝機能などの)経過をみるために必要な採血を行う

採血必要物品 準備物品
駆血帯Pd40900465.JPG 酒精綿Pd4090064.JPG 真空管ホルダーPd4090089.JPG 真空管用針Pd4090090.JPG
翼状針Pd4090088.JPG スピッツ テープPd4090047.JPG  
未滅菌手袋 廃棄BOX(針)
採血部位 穿刺部位
肘窩皮静脈
橈側皮静脈
尺側皮静脈 
など

採血 手順 方法 手技


①患者さんのところへ行き採血の説明を行う
※運動後や入浴後をさけなるべく朝食前採血が望ましい
(食事入浴により血清タンパクの上昇や激しい運動により乳酸値 ピルビン酸などの作成やLDH・CPK・GOTなどの値が高く出てしまうことがあるため。)

②駆血帯を使用し手を縛る
※駆血することにより血管を怒張(静脈血を鬱滞)させ採血しやすくする
※1分以上駆血帯をまかない
(うっ血により血液組成に変化がでる危険があるため)
(1分以内が望ましい理由=JCCLS標準採血法ガイドラインよりcoco siffonさんより情報提供ありがとうございます
※駆血帯を強く締めすぎない。駆血帯をしめたときに橈骨動脈が触れる程度が望ましい 理由は動脈から静脈に血が流れるため、動脈血が入らないくらい縛ってしまうと、採血する静脈も血の量が減ってしまうため。

③採血するところが決まったらアルコール綿を使用し消毒する
(アルコール過敏症・アレルギーを患者さんに確認しアレルギーがあるようであれば他の消毒薬を選択する。)

③患者に親指を中に入れて手を握ってもらう
(中にして握ることにより前腕部の筋肉が収縮し血管が怒張し採血しやすくなるため)
クレンチング動作(手をグーパーグパー)により筋肉や細胞内からカリウムが流出しカリウム値が上昇する(個体差あり0.4~0.7等coco siffonさんより情報提供ありがとうございます

④針を刺し必要量採血をする。
(15度から20度の角度で刺し血管の走行に沿って3mm程度針を進める)
(患者さんに針を刺しますよと説明+針を刺すときはゆっくりさすのではなく、すっと差し込むと痛みを軽減することができる。)
(人にもよりますが血管に入るときに弱い抵抗を感じることができます。または血管が細い人では翼状針などを使用し逆血を見るとわかりやすいです。静脈に入ったら、さらに5mm程度針を進め採血を行うと血管から抜けずにすみます。ただし、血管が細い人などではそのまま採血をしたほうが血管から抜けずに採血をすることができる場合があります。)

⑤駆血帯を外しアルコール綿を穿刺部に置きを針を抜いてから穿刺部を素早く抑えるようにする
(駆血帯を先に外す理由は外してからでないと出血が多くなるため)
(針を抜いてから穿刺部を抑える理由は針を抑えながら抜くと周囲の組織を傷つけ疼痛が増強するため)ペンネーム=通りすがりさんより

⑥止血確認しテープで止める。
※血管の弾圧が弱い場合、採血中に血管に入っているのに血がひけなくなることあり、その場合、針を刺したまま一度駆血帯を外し、ゆっくり出てくるので待つ。
※上記のように血管の圧が弱い場合や血管が細い場合、下肢をあげたり採血する部位を心臓より低くし少ししてから採血するととれることがある。または採血部位を温め血管を拡張させ、末梢から中枢にむけてしごくと採血しやすくなる
※真空管採血の場合、採血中は、採血管内の穿刺針が採血した血液に接触しないように注意する。さらにスピッツを抜いてから駆血帯を外すようにしないと、とった血が血管内に入ることがある(薬剤が入っているものもありその薬剤に真空採血管内は滅菌ではなく細菌汚染があるため、下記参照)

厚労省・JCCLSでの採血手順の違いとその理由



検体採血の順番
生化(青色)生化(黄色)凝固(黒色)血算(紫)血糖(灰色)
を採血する時
真空管採血でなければ、凝固してはいけないものから採血を行う。
凝固(黒色)血算(紫)を入れてから他の物を入れるようにする。

真空管採血の場合
生化(青色)生化(黄色)(このふたつはどちらからでも良い)→凝固(黒色)→赤沈用採血管→EDTA入り採血管→血算(紫=EDTA入り採血管)→血糖(灰色)
の順に入れるようにする。
理由として真空管採血の場合ほぼ逆さにして針を刺すため中に入っている粉(血算や血糖にはい入っている)が針の所につき、別の真空管を入れた時に影響が出てしまうことがある為
や凝固(黒)については採血時すぐの血には組織液が混入し、組織液は血液凝固を促進させるので正確な凝固検査ができなくなることと、真空管から針までの空気も入ってしまうため正確な採血量が取れなく値に影響をしてしまうため


採血量については検査室からは規定量とって欲しいとの事。
検体の検査内容により必要量が違うため
すくないと検査室で頑張って行わないといけないためとのことです。

凝固については、線まで採血を行ってください。
多すぎても少なすぎても検査ができなくなってしまいます。
真空管採血について真空採血管が抜かれないまま駆血帯を外すと血液が体内に逆流することもある

採血の種類によっては氷中運搬や遮光するものもあり注意が必要

採血のコツとして 採血を1回で取る方法
①駆血帯をして血管が出ない時または脈圧が弱い時
・しっかりと下肢を上げ血管を怒張させる
・それでも無理なら下肢を上げたまま反対側の手を見てみる
・それでも無理なら患者さんをベッドのはしによせて採血予定の手をベッドの柵より下に下ろし下肢を上げたまま採血予定の上肢を心臓よりさげ駆血帯をしめ採血する。
・それでも無理なら患者に座位になってもらい座ったまま足を駆血帯で閉め下肢から採決を行う。
(とにかく心臓より採血部位を低くすることにより血管を怒張させることが出来る。+しっかりと血管を見つけることが重要で、見た目で見えなくてもしっかり血管を触れられるようにすることで採血することが出来る)
・採血時途中で血が出なくなった時の対処として一度駆血帯をはずしゆっくり待つか、再度絎け伝いを縛りなおすことで血が引けることがある。(採血始め時の脈圧が弱いと途中でひけなくなることがある)
・さらに自分で手を開いたり閉じたり出来ない人に対しては、看護師が手首を握ったり離したりすばやく繰り返すことで血管を怒張させることが出来る。

採血時の注意点

①前日より目的や必要性の説明を行う
(明日の朝採血を行いますなど)
患者さんによっては昨日も採血したのにまたとるの?または昨日取ったのになぜ取らなきゃいけないと怒ってしまう方もいるため、必要により医師に説明してもらう
②なるべく朝に採血を行う
※運動後や入浴後をさけなるべく朝食前採血が望ましい
(食事入浴により血清タンパクの上昇や激しい運動により乳酸値 ピルビン酸などの作成やLDH・CPK・GOTなどの値が高く出てしまうことがあるため。)
③1分以上駆血帯をまかない
(うっ血により血液組成に変化がでる危険があるため)
(1分以内が望ましい理由=JCCLS標準採血法ガイドラインよりcoco siffonさんより情報提供ありがとうございます
④駆血帯を強く締めすぎない。
駆血帯をしめたときに橈骨動脈が触れる程度が望ましい 理由は動脈から静脈に血が流れるため、動脈血が入らないくらい縛ってしまうと、採血する静脈も血の量が減ってしまうため。
⑤神経損傷のリスクをより低くするために、針を刺入した時にしびれや強い痛みの有無を確認
ペンネームnonoさんより情報提供。ありがとうございました
合併症
血腫、皮下出血、疼痛、神経損傷のリスク(0.004%程度)



採血方法 手順 手技について変更や追加などあればぜひ下よりおねがします。細かいことでも結構です。こうだったかもでも結構です。名前はペンネームでお願いします。150文字で入らなそうな場合は右下のメール欄からお願いします。またサイトを見ていただいている方で答えられるものがあれば答えていただけたら嬉しいです。みんなで解決していけたらいいと思っています。

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  • 2分以上駆血帯まくと血液の成分が変わると授業で習いました。教科書にものっています。2分じゃなくて1分以内に駆血帯をはずさないとダメです --- あすか (2012/06/26 23:24:32)
    • コメントありがとうございます。管理人です。1分以内といろいろ見ると書いてあるのですが、何か文献的なものがあれば教えていただきたいのですが、(ネット以外の文献が自分で探せなかったため^^;) --- ayatyan0709 (2012/06/27 01:47:46)
  • 採血の際の採血管の順番 赤沈用採血管、ヘパリン入り採血管の順番が抜けている様に思います。凝固検査用採血管の後に赤沈用採血管、ヘパリン入り採血管の後がEDTA入り採血管かと思います。 --- 竹内愼 (2012/11/18 08:26:33)
  • 注意点の1項目目の患者さんの話のなかの起こる→怒るだと思います。 --- ナハラン (2012/12/12 22:32:43)
    • ご指摘ありがとうございました^^; --- ayatyan0709 (2012/12/13 20:02:35)
  • 駆血帯1分以内・・・JCCLS標準採血法ガイドラインに記載。あとクレンチング動作(手をグーパーグパー)によってもカリウム値が上昇します(個体差あり0.4~0.7等) --- coco siffon (2013/01/07 15:42:00)
    • 情報提供ありがとうございます。協力者にペンネームで名前を入れさせていただきました。ありがとうございました。 --- ayatyan0709 (2013/01/08 11:09:53)
  • 駆 --- いちご大福 (2013/06/04 06:45:13)
  • 駆血帯を強く巻かないとありますが目からウロコがおちました。私は血管が出にくい患者さんにキツク巻いてました。ありがとうございました。 --- いちご大福 (2013/06/04 06:46:27)
  • 灰色の血糖管の中身はEDTAも入っているので、血算との順番はどっちでもOKです。それと、EDTAにも黄色があるので色だけで判断しないように注意です。 --- 検査技師 (2014/04/04 23:27:53)
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  • 最終更新:2013-01-08 10:57:11

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