尿検査(一般検尿)方法

尿検査(一般検尿)

目的

尿中の細胞・たんぱく質・糖などを調べて健康状態を検査(腎臓系や尿路系の疾患の発見)する目的

方法 手技 手順


①患者さんに説明をする
※尿をとってください。ではなく腎臓などの機能を調べるために尿を調べますので採尿をお願いします。と目的をしっかりと説明

②可能な限り早朝空腹時の尿を採取するよう説明。
※朝一番の尿でなど説明する
理由 朝一番の尿は濃度が濃いため身体状態がわかりやすい

③なるべく中間尿をと説明するが、無理なら中間尿でなくてもかまわない。
理由 汚染による影響を防ぐことができるため中間尿が望ましい
 25cc以上採尿するよう説明し入れすぎなくてもいいことを説明

④採取後は看護師に渡すように説明。
※長時間放置すると成分が変わってしまうため

尿検査・測定方法
①しっかりと尿を攪拌(かくはん=まぜる)し試験紙を使用直前にとりだし尿にしっかりと浸す。浸す時間は2秒
※1秒程度だと色が不十分 3秒以上だと試薬が溶けだして正しい値が出ない
②ストップウォッチで30秒測定 白血球項目のみ60秒から120秒
③時間が来たら目視で確認を行う
※色調がまだらな場合は一番濃い色で判定をする

尿比重については比重計を使用し測定する

注意点 留意点

※女性の場合月経などの時は血液が混入するため申し出てもらう
※失禁患者さんや乳幼児の場合は、専用の尿パットを使用し採取

尿検査項目

蛋白尿

15mg/dl以下=陰性、
15~30mg/dl=±(擬陽性)
30mg/dl以上=陽性(+ ++ +++)

病的タンパク尿 原因

腎前性タンパク尿

腎前性タンパク尿とは
正常=通常分子量が小さいタンパクは糸球体毛細管壁を通過し尿細管で再吸収される。
腎前性=何らかの原因で低分子量タンパクが過剰に産生され、尿細管の再吸収能力を超えタンパク尿となってしまうこと。
・多発性骨髄腫(multiple myeloma)
・マクログロブリン血症
・H鎖病
・特発性L鎖病
・アミロイドーシス

腎性タンパク尿

正常=腎の糸球体により血中のタンパク質を尿へ排泄しないように働いている。
腎性=何らかの原因により糸球体のタンパクを尿へ出さないようにするフィルターの役割が壊れ尿中へタンパクが出てしまう状態。
・ネフローゼ症候群
・Alport症候群
・Goodpasture症候群
・ループス腎炎
・皮膚筋炎・全身性硬化症など膠原病
・慢性腎臓病(Chronic kidney disease; CKD)

腎後性タンパク尿

腎後性蛋白尿とは
尿路(尿管・膀胱・尿道)に炎症や腫瘍または結石などタンパク尿でる。
・尿路感染症
・尿路結石による出血
・膀胱腫瘍

その他タンパク尿の原因(生理的タンパク尿)

・体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)
小児など若い人で背骨が前方に曲がることで腎血管を圧迫し、蛋白尿となることがある。
※加齢とともに消失する
・熱性蛋白尿
発熱により一過性にタンパク尿が出ることがある。解熱とともに消失する。
・運動性蛋白(機能性蛋白尿)
過度の運動などでタンパク尿が出ることがある
・その他
妊娠や月経前・精液や膣分泌物の混入 ストレスや興奮などでもタンパク尿が一過性に出ることがある



      • -------------------------------------------------------------------



  • 最終更新:2012-10-13 18:34:43

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード